Estampe japonaise "Autumn wind — 秋風" par Wada Sanzo
Artiste :Wada Sanzo
Titre :Autumn wind — 秋風
Date :Not set
Détails :Plus d'informations...
Source :Japanese Art Open Database
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Description :
2006年2月16日 和田三造 日本画10号 「秋風」 技法 紙本彩色 画面サイズ P10号近似 額サイズ 60cm×75.5cm サイン 右下と左上に印章、共板に落款・印章・画題、裏板に共シール 作品の状態 良好 額の状態 僅かにトメギレがある他は概ね良好、木箱付 備考 明治・大正・昭和に渡り活躍した和田三造は、洋画から、日本画、染色、図案、映画のデザインまで、多種多様な芸術に挑み続け、独自の色彩研究と意匠性に優れた画風で画壇に新風を吹き込みました。画伯は16歳の時に単身上京し、黒田清輝の住み込み書生として白馬会洋画研究所に入所、1901年東京美術学校西洋画科選科に入学しました。その後、'05年白馬会賞を受賞、'07年と'08年に2年連続で文展二等賞(当時の画壇最高賞)に輝き、文部省より日本初の美術留学生としてヨーロッパに派遣されました。帰国後は文展審査員を務め、'32年に東京美術学校(現・東京芸術大学)教授に就任、'45年日本色彩研究所を設立しました。 そして、'50年日本芸術院会員に任命された画伯は、横山大観、川合玉堂、松林桂月らと「無名会」を結成し、日本橋三越で定例のグループ展を開催しました。さらに、'55年には映画「地獄門」の色彩指導を務め、アカデミー賞・衣装デザイン賞という栄誉を受け、'58年文化功労者に顕彰されました。その作品は、空襲によって多くが焼失しましたが、堅牢な写実力による油彩画は、精緻な筆致と鮮明な明暗の色使いが特長的で、ヨーロッパの歴史画のような趣があります。一方、帰国後から関心を深めていった日本画は、ごく淡く繊細な色彩と柔和な筆致が美しく、古式豊かな伝統美を感じさせます。作品は、東京国立近代美術館、茨城県近代美術館、兵庫県立近代美術館などに収蔵されています。 縁側で涼む浴衣美人は、艶かしさよりも親しみやすい庶民の日常を感じさせ、素朴な一場面として捉えられています。水墨画を思わせる淡く風流な色遣いが和の趣を演出し、ゆったりとした時の流れを実感させます。秋風から守るように灯篭を抱えるその仕草は、夏の終わりを感じさせ、月明かりによって作られたと思われる陰影が、もの悲しい季節の訪れを予感させます。そして、光に包まれて仄かに輝く表情と和服の青が、暗色の背景に浮かび上がり情緒的な雰囲気を高めています。 美術年鑑評価額:10号=800万円(物故洋画家:参考)